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2013年9月10日火曜日

「みんな持ってるもん」子どものため?どう考える過激な表現(15)週刊ニュース深読み

出演 
佐々木輝美(国際基督教大学教授)
江川達也(漫画家)
江川紹子(ジャーナリスト)
カンニング竹山
RIKACO


小野アナ しかし、現代の親は大変ですね。

江川紹子 メディアが多いからね。

小野アナ 目配りしなきゃいけないものが、ものすごくたくさん。

江川達也 ま、でも昔の親はいろんなこと経験してるんで、もっとどっしり構えてた感じがするんですけど、現代の一部は非常に限られた範囲内で生活しちゃった人が多いんで、現実に対して対応できてないっていう現状なんじゃないかと思いますけどね。

江川紹子 ていうかね、例えばね、ソフトだけじゃなくて、こういう媒体(タブレット端末)を買ったりするときには親関わるわけじゃないですか。そういうときに、やっぱりルールみたいなのを決めといたらいいと思うんですよね。そうすると子どももそれ欲しいから「分かった」って言うじゃないですか。

小野アナ ええ。

江川紹子 自分が参加して決めたルールだから、それは従わなきゃいけないものってなると思うんですよ。やっぱりそれも乗り越えたいんだけど、そのときはルールを破ってるっていう後ろめたさがあって、で、やるっていうのがやっぱり・・・。

江川達也 一番最初には親がそれを使って、もっと熟知しないと指導もルールもできないですよね。

江川紹子 うん、うん。

RIKACO でもね、こういうものを何のために必要なのか、なぜ欲しいのかそれをどういうふうに活用するのかってことを十分に話し合わないと。今何でもあり過ぎるから、必要あるか必要ないかって言う判断はやっぱり親がすべきだと思うんですね。

小野アナ 「みんな持ってるもーん」って言うんじゃないですか。

(一同笑い)

RIKACO でも、それはこれじゃなくても、おうちに1台コンピューターがあれば自分の勉強のことを検索、調べることはできるし、これを持ってないからって死ぬわけじゃないから。

江川達也 いや、ただね、高校とかになってくると持ってないと・・・。

カンニング竹山 ああ、必要になってくるとね。

江川達也 そうそうそう(笑)仲間外れになっちゃうっていう。

RIKACO そんなの関係ない。

江川達也 いや、関係ないっていうね・・・(笑)

RIKACO 仲間外れとか関係ない。

江川達也 大学の講義もこれないと調べられないし、就職もできないですよ、今(笑)

江川紹子 例えば「お母さんが時々見るよ」とかね。

カンニング竹山 はい、はい、はい。ルールをね。

RIKACO 聞きませんよ。履歴なんかどうせ消すんだから(笑)

江川達也 (笑)

RIKACO だから、なぜそれが必要なのか・・・。

カンニング竹山 そうですね。

RIKACO まず子どもが、本当にこれが必要で欲しかったら、親と話して親を説得する。ただ与えるだけじゃなくて、何のために必要なのかっていうこと・・・。

カンニング竹山 確かに「みんな持ってるけど全然買ってくんねえよ、うちの親」ってことありましたよ。


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「大人がどう関わっているか」子どものため?どう考える過激な表現(16)週刊ニュース深読み

出演 
佐々木輝美(国際基督教大学教授)
江川達也(漫画家)
江川紹子(ジャーナリスト)
カンニング竹山
RIKACO


小野アナ みんなから「これ」「これ」と言われているこれ(タブレット端末)にツイッターのご意見が届いております。

(一同笑い)

小野アナ 「親としては見せたくない」

江川達也 分かる、分かる。

小野アナ 「でも、自分は見て育ってきたので、子どもには何を見せても見せなくても、話し合うことを面倒がらずにしようと思います」

RIKACO そうです。そういうことです。

江川達也 親が先回りしてればいいんですよ。後付じゃなくてね。

佐々木 まあ、ただ先回りできる家庭っていうのは、ある意味で教育力のある家庭なんですよ。

江川達也 そうですね、それはありますね。

佐々木 そういう家庭に恵まれない子もいるんですよ。

江川達也 あ、そうですね。

佐々木 そうすると、4分の1のメディアや学校ということになるんですね。

RIKACO まあ、でも、できるだけ親だったら、自分の子供が何を考えているのか、何を求めているのか、叱るんじゃなくて、どうしてそれを見たいのか、そっから何を得たいのかっていうことを・・・。

江川達也 でも、それは結構親のキャパが重要になってきて。

RIKACO だから、その努力をしないと、やっぱり分かってあげられない。

江川達也 そうそう。でもやっぱり母親って男の子に比べるとキャパ狭いすよね。

RIKACO でも、その壁を越えて行かないと、いつまでたってもそこは解決しない。

江川達也 それ必要、それ必要、そうそうそう。

小野アナ 佐々木先生がおっしゃるように、4分の1っていう考え方もありますよね。すいません、4分の1、もう1回お願いしていいですか。

佐々木 親、メディア、学校、地域社会ですよね。

江川達也 本人もね。

佐々木 そうですね。

小野アナ 本人。そうなんですよね。

江川達也 本人の責任もね。

RIKACO 本人が一番ですよね。

江川達也 そうそう。

佐々木 子どもを育てるためという。ごめんなさい、これちょっと簡単に(説明します)。

小野アナ あ、はい。

佐々木 原因と結果が分からないんじゃないかって今まで言われていたんですけど・・・。

小野アナ 小学校5、6年生の追跡調査で、テレビゲームの使用時間が多いことと攻撃性が高いことの間に関連が見つかったということですね。

佐々木 はい。そうです。原因と結果が明らかに見つかったということですね。ま、ただし、これがすぐに犯罪に結びつくということではない。

小野アナ 東京都30代の女性からメールが届いています。「見せる見せないは作品の線引きではなく、子どもの周囲の大人がどう関わっているか、それが線だと思う」

カンニング竹山 うんうん。

小野アナ これはちょっと親である人もそうじゃない人も、いろんな立場の人たちにおっしゃってるんだと思います。
 きょうは皆さん、どうもありがとうございました。

(終わり)


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「テレビの自主規制」子どものため?どう考える過激な表現(14)週刊ニュース深読み

出演 
佐々木輝美(国際基督教大学教授)
江川達也(漫画家)
江川紹子(ジャーナリスト)
カンニング竹山
RIKACO


江川紹子 だから、例えばね、テレビっていうのは、ほんとにいろんな人たちが見ますよね。そういうような業界と、それからごく一部の人が選んで接することができるものと違うと思うんですよね。

カンニング竹山 うん。

江川紹子 テレビとかでは、ものすごい過激な笑いっていうものが難しくても、舞台とかそういうのではできるじゃないですか。

カンニング竹山 うん。ですね。

江川紹子 全部一律禁止じゃなくて、ここではここまでしか難しいかも知れないけど、でも欲しい人はこっちに・・・。

江川達也 テレビのほうが自主規制し過ぎて、真実を見せずに体のいいものしか見せれなくなっちゃうと、結局は脆弱(ぜいじゃく)な国民ばっか生まれちゃって、それもどうかと思いますけどね。

江川紹子 うん。そうだね。

カンニング竹山 そちらに寄ってますよね。テレビで言うと、基本的に今テレビにはおりこうさんしか出れない。ちょっと癖のある人はなかなか(出れない)。出てるようだけどコメントはおりこうさんのコメントしか言えないっていうふうにはなってるような気がしますけどね。

江川紹子 だから報道なんかでもね、戦争があっても死体の写真出さない、映像出さないですよね。でもそのことによって逆にほんとの戦争の残酷さとか、なぜ戦争が駄目なのかっていうことがなかなか伝わってないっていうことが一方であるっていうのもありますよね。

佐々木 そうそう。



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「判断能力のない子どもが育つ」子どものため?どう考える過激な表現(12)週刊ニュース深読み

出演 
佐々木輝美(国際基督教大学教授)
江川達也(漫画家)
江川紹子(ジャーナリスト)
カンニング竹山
RIKACO


小野アナ 確かに、テレビをご覧の方からもツイッターでいろいろご意見来てまして、子どもからと思われるものが来ています。「大人たちは都合のいいように私たち子どもから何でも取り上げる。もう、おかしい!」(笑)

(一同笑い)

江川達也 すごい賛成、賛成。

カンニング竹山 何を取り上げられたと思ってるんでしょうね。

江川達也 やっぱり、興味ある漫画とか、いろんなもの・・・。

小野アナ やっぱり見たいっていう子どもはいるってことですかね。

RIKACO まあ、そうですね。だから、それに対しては悪いことではないし、表現の自由という意味では、やっぱり表現の自由がないと才能のある人たちは育っていかないし。もう本当に芸術家の作品を見るとびっくりするような作品があって、それをどの角度からどうやって理解するのっていうことを・・・私やっぱりね、家庭でのコミュニケーションがすごく大事だと思うの。

カンニング竹山 うん。だと思います。

江川達也 ま、学校でもそうですよね。

カンニング竹山 なんか聞いてると、表現は確かに今のほうがより深くなってるのは確かなんですけど、今も昔も、結局子供が見ちゃいけないものは見ちゃいけなくて、そこに親という存在がいて、各家庭で怒られる家もあれば、怒られない家もある、で、自分がどうするか。さっき江川(紹子)さんがおっしゃったように、友達んち借りに行って、それを自分ちの親に見つかって怒られたりとか、そうやって成長してくもんだと思うんですよね。
 だから、社会的に「これ駄目」「あれ駄目」って言っちゃうと、全然判断能力がない子どもがそのまま育っちゃうんじゃないかって。

RIKACO うん。

カンニング竹山 結局は親だろうっていうのありますけどね。

小野アナ 「全てを規制するのもどうかと思いますが」っていうご意見も来てまして「ただ、残酷なシーンを見続けると、徐々に感覚がまひしてくるのではないかという点に懸念があります」。

RIKACO うん。

小野アナ 親がなかなか得意じゃない、インターネットとか、こういうもの(タブレット端末)ですね・・・。

江川達也、江川紹子 はい、はい。

小野アナ こういうもので子どもが見ているのをどうやって止めるんだっていうご指摘もあります。

江川達也 止めようがないですよ。

RIKACO 止めようがないよね。

江川達也 結局、日本の法律で規制したとしても、海外から全く法律で規制されない形で入ってきてるから、もはや止めることは不可能なんで、どう見るかっていうことを教えたほうがいいんですよ。

佐々木 うん。

小野アナ 絶対にこれだけ早めてほしいっていうものはないんですか、私たち生きてる社会の中で。例えば・・・。

RIKACO いや、たーくさんあるよー。言い出したらきりがないけど。

小野アナ レイプされて女性が喜ぶような漫画を子どもに見せたくないなーっていう親の考えは当然だと思います。

江川達也 でも、子どももばかじゃないんで、そういうものに興味のない子は見ないですよ、それは。

RIKACO たまたま興味がなくても見ちゃったときに・・・。

江川達也 そういうときは、もう見るのやめると思いますよ。

RIKACO でもね、私はそれについてやっぱり、子どもと話し合うことっていうのがすごく大事。

江川達也 そうそう、それが大事です。うん。

RIKACO 私は2人の息子がいますけども、今の社会で、そういう情報ばっかりで耳ダンボになって、本当に彼らが恋愛をしたときに、すごく誰かを好きになって、気持ちがときめいて、キスをしたいとか、それも自然な行動じゃない。

カンニング竹山 普通のことですよね。

RIKACO それで、どんどん大人になっていけば、子どもをつくるとか、愛の結晶だったりとか、そういうことの意味、本当の意味を、子どもと親がその大切さを話し合って。

江川紹子 うん。

RIKACO だから耳ダンボにならないように、どうしたらいいかっていうことを自分が直接子どもに教えないと駄目なんですよ。

佐々木 うんうん。

江川達也 そうそう。あとね、いきなり過激なもの見てたらもうちょっとゆるいもの与えるとかね。

(一同笑い)

RIKACO 与えなくてもいい。与えちゃ駄目なんですよ。

江川達也 いやいや、ばらまいとくみたいな。

カンニング竹山 あえてね、あえて言うと僕らの世代、男の子はみんなそうだと思うんですけど、10代初めぐらいのときにエッチな本とか持ってたりするわけですよ。だけどそれは親に見つからないように。親に見つかるととんでもないことになるわけですよ。

RIKACO でも絶対見つかるんですよ。

カンニング竹山 見つかるんですよ。

(一同笑い)

カンニング竹山 だから、それをどっか隠したりとか、それで学ぶこともあったりするんですよ、いろいろと。

江川紹子 だから、やっぱり「お母さんはこれは嫌だ」とか、そういうのって言っていいんだと思うんですよね。

RIKACO はい。

佐々木 そうそうそう。

江川紹子 それで、それを乗り越える、どうしても欲しければいろんな工夫をしたり。ハードルっていうのは大事だと思うんですよね。

江川達也 一番困るのは、お母さんは男じゃないんで、許容量が狭いんですよね。だから男が・・・。

カンニング竹山 いや、お父さんにも怒られますよ。

(一同笑い)

江川達也 お父さんは一緒に読めばいいと思う。

小野アナ ちょっと待ってください。あの、多分ですけど、江川達也さんがすごく表現者側の立場にお立ちになってるっていうところも・・・。

江川達也 いや、でも俺お父さんとしても、それから僕、もともと数学教えてましたから教育の現場から考えても規制しちゃ駄目なんですよ。そこでやっぱり親としてどうするかっていう。うちは基本的にはそういうものはオーケーですよ。むしろ親がやり過ぎて子どもが恥ずかしいっていうぐらいですよ。



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4)子どもの判断力を引き出す エデュカチオ! 親子で学ぼう危険から身を守る力

「悪い子になる証拠」子どものため?どう考える過激な表現(11)週刊ニュース深読み

出演 
佐々木輝美(国際基督教大学教授)
江川達也(漫画家)
江川紹子(ジャーナリスト)
カンニング竹山
RIKACO


小野アナ すいません。また12歳の文恵ちゃん発言していいですか。

(一同笑い)

RIKACO はい。

小野アナ 12歳の文恵ちゃんは「じゃあ、そういうものを見たら悪い子になるって証拠はあるんですか」って言ってます。

佐々木 ああ、なるほど。

RIKACO それはない。

佐々木 いやいや、あります。

小野アナ あ、あるんですか。佐々木先生、その研究してらっしゃるんですよね。

佐々木 基本的に人間は、見たものは真似しますよ。

RIKACO うーん。

佐々木 はい。ただ、その行動が、自分が真似したいような行動なのか、そうでないのかで違ってくると思うんですけれどもね。

小野アナ それはメディアと行動の研究が実際に行われて、その中で出てきたことなんですか。

佐々木 はい。そうです。そういう実験はこの時代ではもうできないんですけども、1960年代、1970年代ぐらいは、保育園の子供に暴力番組を見せて・・・。

江川達也 ひどい実験ですね。

(一同笑い)

佐々木 で、その後、その子どもたちの行動を観察するんですよ。

小野アナ はい。

佐々木 そうすると、ああ、真似た、真似たっていうふうに。そういうもの(研究結果)が、たーくさん溜まったんですよね。

江川紹子 でも、どういうあれ(条件)かによって、真似するか真似しないかも違うんでしょう?

江川達也 そう。

佐々木 はい。で、このパネルを用意してもらったんです。
 同じ暴力行動なんですが、こちらはけんかに勝った人は勝者なんだという文脈をつくったんです。そうしたら、この行動を見た子どもたちはよく真似をしたんです。
 ところが今度は、同じ暴力行動なんですが、殴った後に殴った人が叱られた。こちらはそれほど模倣行動は起こらなかったんです。
 だから、どういう文脈で暴力を描くかっていうのが実は今のテーマなんですよ、この時代の。

江川達也 でも、単純には言えないですよね、これも。

佐々木 いやいや。

江川紹子 今回の『はだしのゲン』の話も、すごーく長い話のほんと何コマかを取り上げて、やれ性的だ、やれ暴力的だっていう話になりますよね。

カンニング竹山 うーん。

佐々木 うんうん。そうですね。

江川紹子 だから、まさに木を見て森を見ない、葉っぱを見て森を見ないみたいな・・・。

江川達也 ただ、問題なのは、なぜ『はだしのゲン』だけが学校の図書館にある漫画なのかっていうこと・・・。

佐々木 (笑)

江川達也 なぜわざわざね・・・(笑)

小野アナ それは江川さん、待ってください、待ってください。なぜ『東京大学物語』はないのかと。

江川達也 そうそう、なぜ俺の漫画は・・・。

(一同笑い)

江川達也 『はだしのゲン』ていうのは、そもそも『少年ジャンプ』で人気のあったね、結構、意外に暴力を好きで読んでる人もいたわけですよ。上昇志向の強い主人公なわけですよ。

カンニング竹山 ああー。

RIKACO うーん。

江川達也 で、一緒に『ハレンチ学園』とか連載してたわけじゃないですか。

カンニング竹山 はいはいはい。

小野アナ (笑)

江川達也 でも、なぜ『ハレンチ学園』は置かないで『はだしのゲン』は置くのかっていうのがそもそも・・・。



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出演 
佐々木輝美(国際基督教大学教授)
江川達也(漫画家)
江川紹子(ジャーナリスト)
カンニング竹山
RIKACO


小野アナ ちょっと一つここでご紹介したいのは、大分県の女性からのメールなんですけど、「以前は子どもが見るテレビは事前にチェックしていました。しかし中学2年生になると、翌日友達と話をするために、その日のうちにもう見てしまう。もう親だけがチェックをするのは難しい」。

カンニング竹山 いやあ、中学2年ですからね。

江川達也 (笑)一生懸命やってますね。

小野アナ そうですよ。
 そして、今回アンケートをとったんですね。838人の方にお聞きしたところ、漫画やテレビなどで行き過ぎた表現だと思ったことがあるか? ”ある”が61パーセント、”ない”が39パーセント。これはどう考えるべきでしょう。

RIKACO あるって思ったときに、親がそこでどういう行動をするかってことだと思うんですよね。

カンニング竹山 うん。

RIKACO あ、これ残酷だなあとか、子どもに見せたくないなあとか思ったときに、チャンネルを変えるのか・・・。

佐々木 (笑)

RIKACO それともテレビを消すのか、それとも、それについて話し合うのか。

カンニング竹山 うん。

RIKACO 一緒に見た後に話し合うのか、いろんな方法があると思う。


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出演 
佐々木輝美(国際基督教大学教授)
江川達也(漫画家)
江川紹子(ジャーナリスト)
カンニング竹山
RIKACO

徳永アナ  いろんな決まりがあって、それぞれに理由になるものがあるんですね。例えば、今プレゼンで紹介したのは、青少年育成条例。東京都に限らず、ほとんどの自治体がこれあります。指定したわいせつなもの、残虐なものを18歳未満に売ったり貸したりするのを禁止しちゃう。国の法律もあって、刑法175条には”わいせつ物の取り締まり”が書かれていて、あまりにひどいものは国の法律で罰せられる。
 ただ、逆にあまり制限しちゃいけないんじゃないかっていう理由になるものもあって、例えば国際条約で”子どもの知る権利”って保証されてるんですね。日本はこれに批准しているので、あまり大人が一方的に制限をかけることをやりすぎてはいけないんじゃないか。
 そして忘れちゃいけないのがこれです、憲法。日本国憲法21条で”表現の自由”は担保されているわけです。権力側があまりに取り締まることに対して、やはりいけないんじゃないかという声は大変多い。
 なんか、どれを優先したらいいのっていう状態。

江川達也 21条でしょうー。

徳永アナ ねえー、もちろん憲法は強いですからね。

カンニング竹山 でも、子どもの知る権利は常識の範囲じゃないですか。子どもは全部知ることはないと思うし。

江川紹子 でも、それでもね、各家庭で親の価値観て違うじゃないですか。だから、うちはこれ駄目とか・・・。

RIKACO そうそうそう。

江川紹子 いや、うちはオーケーっていうの、いろいろあってもいいと思うんですよ。

カンニング竹山 うん。

江川紹子 で、うちなんかは結構きつかったんですけど、そういう中で親が「駄目だ」って言ったら近所の人から借りてとか。

(一同笑い)

江川達也 そうそうそう。友達の家行くとあるからね。

江川紹子 いろいろ知恵を働かせたり、それから、これは親の前では読んじゃいけないとか、これはオープンなものじゃなくてこっそり見るもんだとか、そういうものを体得していく・・・。

江川達也 自分で分かればいいんですよね。

カンニング竹山 自分で考えながらね。

江川達也 そうそうそうそう。

佐々木 自分で考えるっていうものはいいんですけど、そこにラベルを付けてあげるっていう時代なんですよ。この漫画はこういうレベルの暴力がありますよっていうのを。皆さん、食品買うときに裏見るじゃないですか。

小野アナ はい。

佐々木 それは責任としてやってますよね。口から入るものはあらかじめの情報があるのに、何で目から入るものはあらかじめの情報がないのかなっていうのが今の時代になってるんですよ。そこで、このソフトは何歳向けですよっていうのが必要になってくると私は思うんですよね。

小野アナ なるほど。


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「三つの効果」子どものため? どう考える過激な表現(6) 週刊ニュース深読み

出演 
佐々木輝美(国際基督教大学教授)
江川達也(漫画家)
江川紹子(ジャーナリスト)
カンニング竹山
RIKACO


小野アナ 私はですね、ここに12歳の小野文恵ちゃんがいて「子どもはそんなにおばかさんじゃない、大人が勝手に決めないでよ」って言ってる気がしてならないのですが、どうなんでしょう? 子どもへの影響って、そんなに考えないといけないもんなんですか。

佐々木 いや、やっぱり考えなきゃいけないですよ。このパネルを見ても分かると思うんですけど、だんだんわれわれの意識が高まってきてるっていうふうにも考えられると思うんですよね。
 つまり、こういうシーンを描いたら真似されるというような具体的なことが分かってきてるんですね。その小野文恵ちゃんが「大丈夫ですよ」と言っても、実は知らないうちに人の殴り方を覚えていたりするわけですよね。で、カッとなったときにそれが出ちゃったりする。
 でも、恐らく文恵ちゃんは女性ですから、暴力には馴染みがないので、暴力は怖いと思う効果も出てくるんですね。

小野アナ うーん。

佐々木 効果には、真似しちゃうっていうのと、怖いと思う、それから慣れちゃうっていう、三つぐらいある。どれが当てはまるかっていうのは状況によって違ってきますね。




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出演 
佐々木輝美(国際基督教大学教授)
江川達也(漫画家)
江川紹子(ジャーナリスト)
カンニング竹山
RIKACO


小野アナ バラエティーの現場でも、やっぱりこういうお悩みとか・・・?

カンニング竹山 やっぱバラエティーはそうですね。10年前と今とじゃできることとできないことがいっぱい出てきてますよね。たたいたりとかも、もちろんそうですし、僕なんか切れたりすることをやりますんで。コント的にけんかをやり始めたりするのも、前はこの言葉オーケーだったけど、この言葉入れるのやめようとか、そういうことにはなりますよね。

小野アナ なんか、こういう大人たちの眼差しに対して、どうお思いになりますか。

RIKACO まあ、いろんな方がいらっしゃるから。大人の方も、感じ方がそれぞれで、どう感じて、どう子どもたちに伝えていくかっていうことだと思いますよね。
 ただ、あまりにも無関心で、もうそれは子どもが勝手にやればいいのよっていうのはどうかと思う。

小野アナ あ、そうですか。

RIKACO かと言って、突っ込みすぎるのもどうかと思う。



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2013年9月8日日曜日

「しずかちゃん、さるかに合戦」子どものため? どう考える過激な表現(4) 週刊ニュース深読み

出演 
佐々木輝美(国際基督教大学教授)
江川達也(漫画家)
江川紹子(ジャーナリスト)
カンニング竹山
RIKACO


徳永アナ 神奈川県のお隣の東京都も大変話題になったのが3年前。東京都は青少年育成条例というものをつくっていて、どういうものを18歳未満に規制するかというのを書いています。


性的感情を刺激し、残虐性を助長し、又は自殺もしくは犯罪を誘発するもの
(東京都 青少年育成条例)
 
小野アナ 難しい。
 
カンニング竹山 うんー?
 
徳永アナ いかがでしょうか。
 
小野アナ この基準にはまるものは駄目よということなんですね。
 
徳永アナ 今から3年前のこと、この「性的感情を刺激し」に関連するんですが、児童ポルノの規制を強めようと東京都は条例案の改正を考えます。実写だけではなく、アニメなどで18歳未満の女の子が描かれているものをどうするかという話題になりました。
 規制の基準があいまいじゃないかという人からは、ある作品も危ないのではという論議を呼びます。この作品です。『ドラえもん』。
 
カンニング竹山 はい、はい。
 
RIKACO これ・・・。
 
徳永アナ しずかちゃん、1日3回お風呂に入るんですが・・・。
 
小野アナ のび太はどうしてそこにいるんですか。
 
(一同笑い)
 
徳永アナ これはですね、大体のび太っていうのは、いい道具があると早くしずかちゃんに見せたいんですね。で、必ず行くんですが、どこでもドアがありますので念じたところに「しずかちゃんのもとに!」って開けると入浴中のしずかちゃん。これは恒例のシーンでございますが。
 つまり、性的である規制の基準があいまい。しずかちゃんも18禁ですか、『ドラえもん』はわいせつ本ですかという議論になって、東京都がわざわざ公式見解で「しずかちゃんはセーフであります」と発表するまでになった。
 
(一同笑い)
 
カンニング竹山 ええー!
 
徳永アナ これ、本当にあった。本当にあった。ちなみにワカメちゃんもセーフと。そういうところまで騒動になった。これが3年前です。
 そして最後です。こんなところにも最近になって影響が出ているのをご存じでありましょうか。
 
カンニング竹山 童話何がある?
 
徳永アナ ある童話をご紹介致します。ご存じの方多いと思います。
 
小野アナ 『さるかに合戦』
 
徳永アナ はい。これが今までの絵本です。おさらいします。どんな絵本かというと、サルが悪さをして柿の実をぶつけたカニのお母さんが死んでしまいますね。かたきを討とうとした臼やクリ、ハチがサルを懲らしめてるという話であります。
 
カンニング竹山 うん。
 
徳永アナ 何とも思いませんか、皆さん。
 
小野アナ 何ともとは?
 
徳永アナ 極めて残虐であります。
 
(一同笑い)
 
カンニング竹山 物語だし、それはそういうもんだし。
 
徳永アナ カニのお母さん亡くなっちゃうんですよ。
 
RIKACO 結構昔の童話はそういうの多いよ。
 
徳永アナ グリム童話とかね。
 
RIKACO うん。子どもながらにかわいそうだなあとか、何でこうなるんだろうなとか・・・。
 
小野アナ お思いになったことあります?
 
RIKACO 思ったし、子どもに読みながら、何でこんなことになってるんだろうとかは思いますよ。結構ある。
 
徳永アナ RIKACOさん、おっしゃる通りで、読み聞かせをしているお母さんの中で、ちょっとやっぱりちっちゃい子に読み聞かせるには抵抗があるんですっていう意見は出始めていて、それが出版社に寄せられていて、それが影響したかどうか、昨今の『さるかに合戦』の中には、ちょっと変わったものが出ております。ラストシーンをご覧ください。
 
RIKACO なんか、その話聞いたことある。
 
小野アナ んー?
 
徳永アナ サルが謝罪をし、臼が受け入れ和解をし、大団円。ちなみにサルが柿の実を誰かに与えておりますが、これはカニのお母さん、生存しております。みんなハッピーというラストシーンになっていると。
 子供の教育ということで、いろんな範疇が出てきましたけど、どこまでありで、どこまでなしですかっていうお話ですね。
 
カンニング竹山 サルは、後にちゃんと謝るみたいなことなんじゃないですか。
 
徳永アナ サルやっつけたって濁したり、ペチャンコになりましたが普通なんですが、謝罪は・・・私が子どものころはしなかったですね。
 
 
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「バトルロワイヤル、ゲーム」子どものため? どう考える過激な表現(3) 週刊ニュース深読み

出演 
佐々木輝美(国際基督教大学教授)
江川達也(漫画家)
江川紹子(ジャーナリスト)
カンニング竹山
RIKACO



徳永アナ さらに進みます。2000年、ある映画が大変話題になったのを覚えていますか。これです。

カンニング竹山 ああー。

徳永アナ 「これから皆さんに殺し合いをしてもらおうと思います」というセリフを言っているのは北野武さん、先生役です。深作欣二監督の『バトルロワイヤル』(東映)。これ、架空の国の話なんですが、ある島に中学校の1クラスが集められて1人になるまで殺し合いをさせる。殺し合いをするシーンもあるんですが、最後大人たちに反抗して脱出しようという少年たちも描かれている作品です。
  ただし、やはり作品が作品ですから、残酷だという指摘が出ます。当時は国会で議論になりました。国会議員が試写会を開いて集まった。「けしからん」という人もいたし、「いや、いい作品だから、むしろ子どもに見せるべきだ」と議員同士もバチバチやっちゃった。

カンニング竹山 へえー。

徳永アナ 大論争になって、結局映画会の自主規制で15歳未満の子供には見せないようにしましょうという取り決めになりました。中学生が出てくるんですけど、中学生はほぼ見られないという話になっちゃった。

カンニング竹山 ああー、そっか。

徳永アナ さらに5年たちます。ゲーム業界も話題になりました。ゲーム、昔から主人公が武器持って進むのは当たり前にありますが、だんだん画像が鮮明に、リアルになっていって暴力、バット、拳銃がはっきり映るようになっていって、殺した人の血しぶきや血だまりがかなり現実に近い形で、2000年代に出始めます。
 2005年に神奈川県がこれを規制します。理由は残酷だということです。ただ、公のものを行政が条例をつくって、売ったり買ったりするのを禁止するということに、当時賛否両論あり、大変話題になったんですね。「別にこれをしたからって私は人殺ししていませんし、大丈夫ですよ」っていう意見もあれば「これはアウトだろう」っていう意見もあり、真っ二つになった。
 一部のゲーム(グランド・セフト・オートシリーズなど)ですが、今、11の都府県でこのゲームは禁止されています。
 神奈川県のお隣の東京都も大変話題になったのが3年前。東京都は青少年育成条例というものをつくっていて、どういうものを18歳未満に規制するかというのを書いています。


性的感情を刺激し、残虐性を助長し、又は自殺もしくは犯罪を誘発するもの
(東京都 青少年育成条例)
 
小野アナ 難しい。
 
カンニング竹山 うんー?
 
徳永アナ いかがでしょうか。
 
小野アナ この基準にはまるものは駄目よということなんですね。
 
徳永アナ 今から3年前のこと、この「性的感情を刺激し」に関連するんですが、児童ポルノの規制を強めようと東京都は条例案の改正を考えます。実写だけではなく、アニメなどで18歳未満の女の子が描かれているものをどうするかという話題になりました。
 規制の基準があいまいじゃないかという人からは、ある作品も危ないのではという論議を呼びます。


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「手塚治虫、牛乳コント、PTA」子どものため? どう考える過激な表現(2) 週刊ニュース深読み

出演 
佐々木輝美(国際基督教大学教授)
江川達也(漫画家)
江川紹子(ジャーナリスト)
カンニング竹山
RIKACO


小野アナ 結構昔はテレビでも裸の女の人が出てきたりしましたよね。

カンニング竹山 やってましたね。バラエティーでも、ドラマなんかでもそういうシーンありましたよね。

小野アナ 何を見せるべきでっていうのは、もう長い間大人たちのテーマでもありました。
 きょうは、その歴史をひもとくところからスタートしたいと思います。

徳永アナ おはようございます。
 歴史をほじくり返してみました。構図はなんにも変わってないっていうことが見えてまいりました。おさらいからいきましょうか。
 今月の大きなニュースがこれですね、松江市の教育委員会が市内の小中学校で見ないようにと要請していたのが分かったのが、この『はだしのゲン』でした。理由として松江市教育委員会が挙げたのが、この二つでした。残酷であること、性的な描写があること。首を切られる描写や女性が乱暴されるシーンが出てくるというものでした。しかし、批判を受けて今週になって、これを撤回しました。
 ただ、構図が変わっていないというのは、大人の中には常に新しい表現が出るたびにチェックを入れようという人がいます。理由はこの2文字、青少年の健全な”教育”のためというもの。
 しかし、何も変わっていないのはこちらも同じ。「駄目よ」と言われたら見たくなる子ども。
 ひもといていくと、こんなことから始まります。戦後間もないころ、手塚治虫さんが書いた『拳銃天使』(講談社1949年)という漫画で少年漫画史上初のキスシーンがありました。この1コマが大変な物議を醸し、大変破廉恥だと抗議文が殺到しました。新聞にも破廉恥どうするという特集が組まれ、大論争になったんです。

カンニング竹山 ええー。

小野アナ そんな時代もあったんですねえ。

徳永アナ 古くはこうです。
 これからいろんな事例をお見せしますが、あなたは賛成か反対か、お茶の間でもお考えください。
 次に問題になったのが私たちです。

小野アナ テレビ。

徳永アナ これです。竹山さんの前で説明するのも申し訳ないんですが。

カンニング竹山 いえいえ。

徳永アナ 私も見ていました。かつては牛乳コントって(牛乳を)何杯も飲まされて吹き出すシーンもあったし、ハリセンはもう常とうですよね。

カンニング竹山 はい。

徳永アナ ただ、ここと常に向き合ってきたのがPTAですね。過度な悪ふざけ、食べ物を粗末にするなどの理由で抗議を寄せていた。今でも毎年のようにPTAが子どもに見せたくない番組というのを選んで・・・。

カンニング竹山 ああ、ありますね。ランキング出てますね。

徳永アナ ですよね。というのが、この時代です。



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「出版業界とゲーム業界の自主規制」子どものため?どう考える過激な表現(13)週刊ニュース深読み

出演 
佐々木輝美(国際基督教大学教授)
江川達也(漫画家)
江川紹子(ジャーナリスト)
カンニング竹山
RIKACO


小野アナ ちょっとここで、少し話を別の方向に。もう一つ議論していただきたいことがあるので、このプレゼンをお聞きいただきます。
 子どものためっていうことも考えつつ、なおかつ表現の自由っていうものも守らなきゃいけないっていう中で、ある業界の取り組みです。

徳永アナ はい。規制すべきじゃないのお話の後に自主規制のお話をします。
 いろんな業界が公から言われる前に、自分たちで敷こうという動きは2000年越えてから特に増えています。
 二つの業界がどんなことをしているかを見て、これでいいのか悪いのか、どうすべきかを、もう一回ぜひ考えていただきたいんです。
 まず、このゾーニングというのは出版業界の動きです。本はコンビニエンスストアにもたくさんありますが、昔とだいぶ変わってきています。こうなっています。

RIKACO はいはい。

徳永アナ 昔は混在していましたけど、今一般的な雑誌と、こういうワオーな感じの雑誌をわけますよね。で、線が引いてあって、このエリアは18歳未満は買えませんとはっきり書いていて、しかもその本は全てちゃんと2カ所半透明のシールが(立ち読みできないように)貼ってある。ちゃんと共通しているんです。つまり、区分けをしている、ゾーンで分けているっていうのが、このゾーニング。これが実際行われています。1990年代から2000年代半ばにかけて進んでいて、ほとんど今コンビニなどはこういうふうになっています。

小野アナ こうすると、どういう効果がある?

徳永アナ 18歳未満の人は買わないでねっていうのをはっきりと書く。

RIKACO でも18歳ですって年をごまかして買う場合はどうするんですか。

徳永アナ どうするんでしょうね。

(一同笑い)

カンニング竹山 買いづらいんすよ。

徳永アナ どっちかって言ったら、子どもへのプレッシャーというよりかは、一緒にいる大人のガイドラインになっているような意味合いもあるんですよね。

小野アナ ああ。どうしてその線の向こう側に立っているのかな、君は? って大人が思うってことですか。

カンニング竹山 やっぱり、そこの前に子どもがいると、全然知らない子でも「おい」って言っちゃいそうな自分がいますもんね。「駄目だろ、これ」っていうような。

徳永アナ で、このゾーン分けっていうのは、ここのゾーンだけではなくって、そもそもこういうところに置いていいのかっていうようなゾーン分けもしていて、こんな組織が今あります。
 出版ゾーニング委員会といって、出版業界の人、弁護士さん、それから子どもの人権に詳しい専門家などが入っている委員会で、こういった皆さんがチェックをします。で、コーナーにあるものでちょっと濃いねというものがあると、こういうマーク(ゾーニングマーク)が付きます。で、こういうものが付いた書籍は、そもそも一般的な人が出入りするコンビニや書店には置けないようなルールを自分でつくっている。だから、(店に)入れるか入れないかっていうゾーン分けもしていると。

小野アナ 業界の中の自主規制?

徳永アナ そうです。これは自主規制です。つまり公権力ではないということですね。

小野アナ うーん。

徳永アナ こっちいきましょうか。

小野アナ はい。

徳永アナ もう一つ、レーティングっていうのはゲーム業界です。
 ゲーム業界も独立した団体をつくっています。第三者機関っていうんですけど、CEROっていいます。ゲーム好きな方はこの4文字見るとピンと来る方いるかもしれません。ご家庭のソフト、後で見てください。必ず今、日本で流通しているものは、どれか(A,B,C,D,Z)付いています。

小野アナ へえー。

徳永アナ レーティングっていうのは格付けという意味です。

小野アナ これ、さっき佐々木先生がおっしゃってたものですか。

佐々木 そうです。

徳永アナ Aが付くと全年齢オーケー。

RIKACO 知らなかったー。

徳永アナ Bが付くと12歳以上が対象。12歳未満はやっちゃ駄目よと。Cは15歳以上、Dは17歳以上、一番厳しいZが付くと18歳以上だけ。
 で、これは(ゾーニングと)同じように親御さんを含めた大人たちへのガイドラインの意味合いがかなり強くて、ソフトを売っているところにはちゃんとこういう分け方がされている。
 Zだけはちゃんと別の場所で売るようにってルールを決めているということであります。

江川紹子 ふうん。

徳永アナ じゃ、5段階っていうと、どうやって決めてるんだと思うかもしれませんが、こうやってます。
 CEROがさらに一般のいろんな年代の大人たちを選んで来てもらって、ゲームの映像を見て審査してもらいます。審査項目が20項目以上あります。
 例えば、暴力、性、反社会性とか尺度が全部あって、暴力一つとってもただ殴るのか、殴って血が出るのか、殴った相手が死んでしまうのかっていうふうに事細かくチェックする項目があるそうです。
 例えば性。キス一つとっても親子の間でするもの、恋人同士でするもの、もっと濃厚なものというふうに度合いを見てチェックを入れていく。それを総合的に見て5段階に格付けしていくというのをゲーム業界が自分たちでやっている。
 こういうものが主に二つあるんですね。どうお思いになるでしょうか。

佐々木 これはとっても後発なんですね、ゲームをレーティングするっていうのは。

小野アナ ええ。後発というのは?

佐々木 ゲームがエンターテインメントとして新しく出てきたじゃないですか。

小野アナ はい。

佐々木 ですから、新しい時代の基準に基づいてつくられてるんですね。だから、その意味では結構国際基準と同じように基づいているんですね。

小野アナ ああ。

佐々木 だから国際的なものというふうに考えると・・・。

江川達也 これ販売してるものはレーティング付いてるけど、ネットのものはもう自由に見れちゃうんで、あんま意味ない感じはする。

佐々木 ああ、はい、はい。

小野アナ 感じはされますか。でも効き目としては本人がゾーニングで買いづらい、レーティングのほうは、インターネットで子どもが勝手に買ってしまったらしょうがないじゃないかって今・・・。

江川達也 買うとかじゃなくて、自由に見れちゃう。両方共そうですよね。本の形をとっていれば販売するから規制はかけれるけれど、インターネットは自由に閲覧できちゃうんで、もう自分で判断する能力付けさせるしかなくなってきてるっていう。

佐々木 いや、そこだけで言うと子供だけの責任になってしまうので、やっぱり私が言ったように、4分の1の責任ていうことで、出すほうが何らかの責任を負わなきゃいけないっていうことなんですよ。

小野アナ じゃあ、その責任としてやってるんですか、業界は。

佐々木 そうです、そうです。

江川達也 そうそうそう。そうしないと自分たちの業界が規制対象になっちゃうんで、ちゃんと自分たちで規制していくことによって社会的にちゃんとしてますよっていうことを(やってる)。生き残るための方策だと思いますよ。

小野アナ 国から規制を受けたりしないために?

江川達也 受ける前に自分たちがやってしまえばいいっていうことですよね。

カンニング竹山 じゃあ、そのゾーニングとかレーティングで業界が規制しているとすると、ここで親は何をするっていうことですか。

佐々木 そうなんですよ。それを活用するっていうことなんですよ。

カンニング竹山 じゃあ親もちゃんとこれ分かって、親もちゃんと規制しないとっていうことですよね。

佐々木 はい。

カンニング竹山 業界はしてるんだから。

佐々木 ええ、ええ。

カンニング竹山 そこがうまくいってないんじゃないかってことになってくるんじゃないですか。

小野アナ でも業界はしてるのかどうかっていうことで言えば、そういうインターネットで誰でも買えたり、誰でも見られたりっていう時点で、制作した側の責任は果たしているんですかっていう。本当にこれで効き目があるものとして、自主規制しているのかっていう疑問も一つありませんか。

佐々木 うん。だから、漏れがあるから学校で、そういうメディア、暴力に強い、こちら(江川達也)のような暴力を見ても平気な・・・。

江川達也 子どもを教育しなきゃいけない。

佐々木 教育をしなきゃいけないということなんですよね。私が4分の1の責任ていうとこ、そこですね。


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江川達也「規制は教育放棄」子どものため? どう考える過激な表現(7)週刊ニュース深読み

出演 
佐々木輝美(国際基督教大学教授)
江川達也(漫画家)
江川紹子(ジャーナリスト)
カンニング竹山
RIKACO


江川紹子 まさに、その状況にもよるし、多分年齢にもよるし、それから親の価値観にもよると思うんですよね。
 だけど、何もかも、例えば戦争だとか、あるいは昔話なんかをマイルドにしていく、甘口仕上げにしていくっていう、そういうのってどうなのかなあって思いますね。やっぱり、嫌だなあとか、残酷だなあって思っても、そういうものもあって、だからこそ、そうならないようにしようって、それぞれみんな考えるじゃないですか。あるいは、その親が「これは怖いよ」って言ったときになんかフォローしてあげるとか、そういうふうにすれば。結構子どもって耐性あるんじゃないですかね。

江川達也 そうそうそう。だからね、要はこれ、規制じゃないですか。

小野アナ はい。

江川達也 規制して見せないようにするっていうのは、完全なる教育放棄だと思いますよ。

小野アナ、佐々木 うーん。

江川紹子 ああー。

江川達也 やっぱり現実っていうのはあるわけで、実際世の中には今戦争もあるわけじゃないですか、中東で行われていることって。それさえも見せないようにする、何もかも見せないようにするっていうのは完全に教育・・・教育って、自分で知って、自分で解決するっていう能力を付けさせることだから、その能力がどんどん低下するわけで、僕自身は見せていい、規制してはいけないと思います。

小野アナ 自由に見せていい?

江川達也 見せて、それをどう捉えるかっていうことを話しあうことのほうが大事だと思うんです。

江川紹子 規制ってね、親がやる規制なのか、あるいは国がやる規制なのかって、随分違うと思うんですね。

江川達也 ただ、親もやらなくていいと思うんですね。

江川紹子 うーん。どう・・・。

佐々木 いやいや、それはやらなきゃいけないでしょう。

(一同笑い)


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2013年9月6日金曜日

「はだしのゲン、風立ちぬ」子どものため? どう考える過激な表現(1) 週刊ニュース深読み


出演 
佐々木輝美(国際基督教大学教授)
江川達也(漫画家)
江川紹子(ジャーナリスト)
カンニング竹山
RIKACO



今、あちこちで売り切れ続出の漫画『はだしのゲン』

あのニュースが話題になったからなんです


2013/8/22での会見

松江市教育委員会委員長 

 「暴力シーンや、ま、一部ではありますが性的な描写・・・。

        発達段階に応じては配慮が必要なのかなあと。」



松江市内での小中学校でのこと

暴力や性の表現が過激だという理由で『はだしのゲン』が図書室の奥に(8/26に撤回)


この夏公開した宮崎駿監督の『風立ちぬ』も

日本禁煙学会から

子どものためにタバコのシーンは気をつけてほしいと要望がありました



以下に転載致しました
(映画「風立ちぬ」でのタバコの扱いについて(要望と見解)8月16日改訂版 日本禁煙学会)

2013年8月12日
映画「風立ちぬ」制作担当者 様


日本禁煙学会 理事長 作田学
 映画「風立ちぬ」でのタバコの扱いについて(要望)
※禁煙学会の見解や詳細は
http://www.nosmoke55.jp/action/1308kazetatinu.htmlをご覧ください※
 映画「風立ちぬ」なかでのタバコの描写について苦言があります。現在、我が国を含む177か国以上が批准している「タバコ規制枠組み条約」の13条であらゆるメディアによるタバコ広告・宣伝を禁止しています。この条項を順守すると、この作品は条約違反ということになります。(別冊をご参照ください)
 教室での喫煙場面、職場で上司を含め職員の多くが喫煙している場面、高級リゾートホテルのレストラン内での喫煙場面など、数え上げれば枚挙にいとまがありません。
 特に、肺結核で伏している妻の手を握りながらの喫煙描写は問題です。夫婦間の、それも特に妻の心理を描写する目的があるとはいえ、なぜこの場面でタバコが使われなくてはならなかったのでしょうか。他の方法でも十分表現できたはずです。
 また、学生が「タバコくれ」と友人にタバコをもらう場面などは未成年者の喫煙を助長し、国内法の「未成年者喫煙禁止法」にも抵触するおそれがあります。事実、公開中のこの映画には小学生も含む多くの子どもたちが映画館に足を運んでいます。過去の出来事とはいえ、さまざまな場面での喫煙シーンがこども達に与える影響は無視できません。
 誰もが知っているような有名企業である貴社が法律や条約を無視することはいかがなものでしょうか。企業の社会的責任がいろいろな場面で取りざたされている昨今、貴社におきましてもぜひ法令遵守をした映画制作をお願いいたします。
 なお、このお願いは貴社を誹謗中傷する目的は一切なく、貴社がますます繁栄し今後とも映画ファンが喜ぶ作品の制作に関わられることを心から希望しております。
 どうぞその旨をご理解いただき、映画制作にあたってはタバコの扱いについて、特段の留意をされますことを心より要望いたします。






そういえば、これは見ちゃいけないなんて親に言われたことも


40代男性
やっぱり『イレブンピーエム』とかこっそり見てましたね、中学生のころ。

40代女性
熱湯にお笑いの人が入ったり、ケーキをぶつけ合ったり、やっぱり親に制限かけられてましたね。

30代女性
大人のドラマだったりとか、子どものうちは早く寝なさいとか言われて・・・。


確かに漫画だけではなく、テレビやゲームなど

子どものために規制すべきものがあるんじゃないかっていう議論、昔からありますよね


子どもたちの目に飛び込んでくる様々な表現

私たち大人はどう考えたらいいのか


とことん深読みします



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2013年8月26日月曜日

「アイデンティティーは近代の神話」哲子の部屋 2013/08/20(7)

千葉 ドゥルーズって哲学者は大きく言うと、同一性じゃなくて差異が大事だって考えた人なんですよ。言い換えれば、アイデンティティーよりも、違い、多様性が大事だと。揺るぎない自分より、さまざまに変態していって自分をリミックスするっていうことだってできるわけです。それが変態するっていうことだし。
 でも、そもそも何でこのアイデンティティーにとらわれるっていうことになるのか、大まかに考えると、やっぱり近代っていう時代の現象で・・・。
 
清水 近代?
 
千葉 近代。ま、18世紀、19世紀ぐらいにかけての現象で、昔は八百屋の子どもは八百屋だったのが・・・。
 
マキタ そうだあ。
 
千葉 それがどんどん崩壊していって、自由になったって言えば聞こえはいいんだけど、何をしたらいいのか分からなくなっちゃってるみたいな。
 
マキタ うんうん。
 
千葉 今僕らの生きている現代っていうのも、それの延長上にあるわけです。アイデンティティー追求みたいなことを強いられてるんです。
 
清水 ああ。確かに。自分らしさってなんだろうって、今いっぱい選択肢があるじゃないですか。
 
千葉 うん。
 
清水 で、ウワアって悩んでたときに、あ、もう、ここが江戸時代で、どっか世継ぎにいくしかないみたいな限られた運命だったら、自分も悩まずに決められるのにとか思ったことあります。
 
千葉 ああー。
 
マキタ ああー。
 
千葉 だから、本当の自分、アイデンティティーっていうのは、一つの神話、近代の神話かなと。
 「私と言うか言わないかがもはや重要でない地点に到達することだ」これがドゥルーズが唱えた現代哲学の根本原理なんですよ。何々でなければならないっていう呪縛から逃れて、中途半端でいびつな自分でオーケーってことにするっていうことかなあと思いますね。


「中途半端な自分を肯定する」哲子の部屋 2013/08/20(6)




再び敵が襲い掛かる中変身を試みる、主人公狂介
 
しかし・・・
 
 
(狂介) 俺は・・・変身することすらできなくなってしまった・・・。
 
 
追い込まれた狂介はある考えに至ります
 
 
(狂介) 違う。ノーマルじゃ助けられないなんて、誰が決めたんだ。
 
 
変身しないまま、戦いに臨むのです
 
 
ここで中途半端を認めた主人公は再び変身を遂げます
 
 
(変態仮面) 俺はある重要なことに気付いた。
 
(戸渡先生) 何だ?
 
(変態仮面) 変態であればあるほど強いなどという法則は、どこにも存在せん!
 
(戸渡先生) 気付いてしまったか、その事実に。
 
(変態仮面) だから俺は自信を持って戦う。確かにお前ほどの変態ではないがな!
 
 
変態かノーマルかというアイデンティティーを突き詰めず
 
今の自分を肯定することで自身を取り戻すのです
 
 
 
マキタ 変態であればあるほど強いんだっていうのが間違いだって言ってますよね。
 
千葉 そうそう。
 
清水 うんうんうん。
 
マキタ で、目からうろこが落ちるというか。その変態の上、下、レベルの程度の違いだとかっていうところから自由になったっていうことじゃない?
 
千葉 そう、そう。
 
清水 うん、うん。
 
マキタ 偽変態仮面が仕掛けた、独自の論理や理屈に絡め取られて、それで自分はレベルが低いんだとかっていう自己否定から解き放たれて強くなれたっていうのは象徴的だった。
 
千葉 うん。比べてより上、より上っていうふうに追求するんですよね。でも、そうじゃない。仮の状態のこの自分でいいっていうこと、自分は半端な変態仮面なんだっていうこと、それをそれで良しとする。だってきりがないわけでしょ、自分探しをしたって。
 で、中途半端な自分を肯定するっていうことで戸渡先生との対決みたいなものから抜け出せる。半端な、仮の自分でいいってことですよね。
 
清水 私は、なんかその、中途半端を肯定していいのかなっていうところで止まってるかもしれないです。
 
マキタ 中途半端ってやっぱりネガティブな言葉としてとらえてるけど。
 
清水 きっと自分の概念が邪魔してるのかも、私の中で。
 最近「私ってどんな人ですか?」って聞くことが多くって、周りからは「明るいよね」って言われることが多くて、で、私は明るい人なんだっていう意識を持ち始めると、明るく努めなきゃみたいな変な気が起きてきてつらくなりました。
 
マキタ だから思いのほか自分自身にも刃突きつけてるんじゃないのかな。
 
清水 うん。明るいアイデンティティーっていうのを究めたいって思ってたら競争から降りれないですよねえ。
 
千葉 そうですねえ。戸渡先生的な追求が偉いとは限らない。実は途中でやめたり、この程度でいいやって思うことのほうが難しいってことってあるんですよね。
 
清水 そうですねえ。
 

「自己否定の深み」哲子の部屋 2013/08/20(5)

マキタ 俺よりもっとこじれたやつとかを見たら、ちょっとかなわないとかって思ってたときがすごくあったんです。

千葉 あー、なるほど。
 この勝負のポイントは、変態仮面はやろうと思えばやれたのに、負けたと思い込んでるのがみそなんです。

マキタ うん、なるほど。

千葉 戸渡先生はより変態になればいいっていう、変態アイデンティティっていうのを究めようとしてる人なわけです。

マキタ うん、うん。

清水 うん、うん、うん。

千葉 ところが主人公は中途半端だった。で、これ映画だから極端に描いてますけど、僕らの中にもより究極の姿みたいなものを求めてる、戸渡先生なものっていうのが実はいるんじゃないのかなと。

マキタ 僕は、自分がこうあらねばとか、ビートたけしさんみたいになりたいとか、誰それみたいになりたい、そういう自意識に縛られてバランスを崩したんですよ。それとすごいよく似ている。

千葉 変態仮面は、なんであそこで負けたと思ったかっていうと、自分には本当のアイデンティティがないんだっていうことにとらわれたから。自分が何者だか分からないっていうのを突き詰めると自己否定の深みに陥るわけです。

マキタ うんうんうん。

清水 うんうん。

千葉 で、これは戸渡先生と表裏一体のことだと思うんです。

マキタ あー。

千葉 結局、どっちも変態なのか、ノーマルなのかっていうアイデンティティー問題にこだわってるから。一方はアイデンティティーを追求する、他方はアイデンティティーがないってことを突き詰めちゃう。

マキタ うん。

千葉 じゃあ、そのアイデンティティー追求と自己否定、この袋小路からどう抜け出したらいいのか? これはもう、いよいよ哲学的な問題になってきたわけなんです。

マキタ どうしたらいいんだろうねえ。

千葉 じゃあ変態仮面のその後っていうのを見てみましょう。



再び敵が襲い掛かる中変身を試みる、主人公狂介
 
しかし・・・
 
 
(狂介) 俺は・・・変身することすらできなくなってしまった・・・。
 
 
追い込まれた狂介はある考えに至ります
 
 
(狂介) 違う。ノーマルじゃ助けられないなんて、誰が決めたんだ。
 
 
変身しないまま、戦いに臨むのです
 
 
ここで中途半端を認めた主人公は再び変身を遂げます
 
 
(変態仮面) 俺はある重要なことに気付いた。
 
(戸渡先生) 何だ?
 
(変態仮面) 変態であればあるほど強いなどという法則は、どこにも存在せん!
 
(戸渡先生) 気付いてしまったか、その事実に。
 
(変態仮面) だから俺は自信を持って戦う。確かにお前ほどの変態ではないがな!
 
 
変態かノーマルかというアイデンティティーを突き詰めず
 
今の自分を肯定することで自身を取り戻すのです
 
 
 
マキタ 変態であればあるほど強いんだっていうのが間違いだって言ってますよね。
 
千葉 そうそう。
 
清水 うんうんうん。
 
マキタ で、目からうろこが落ちるというか。その変態の上、下、レベルの程度の違いだとかっていうところから自由になったっていうことじゃない?
 
千葉 そう、そう。
 
清水 うん、うん。
 
マキタ 偽変態仮面が仕掛けた独自の論理や理屈に絡め取られて、それで自分はレベルが低いんだとかっていう自己否定から解き放たれて強くなれたっていうのは象徴的だった。
 
千葉 うん。比べてより上、より上っていうふうに追求するんですよね。でも、そうじゃない、仮の状態のこの自分でいいっていうこと、自分は半端な変態仮面なんだっていうこと、それをそれで良しとする。だってきりがないわけでしょ、自分探しをしたって。で、中途半端な自分を肯定するっていうことで戸渡先生との対決みたいなものから抜け出せる。
 半端な、仮の自分でいいってことですよね。
 
清水 私は、なんかその、中途半端を肯定していいのかなっていうところで止まってるかもしれないです。
 
マキタ 中途半端ってやっぱりネガティブな言葉としてとらえてるけど。
 
清水 きっと自分の概念が邪魔してるのかも、私の中で。
 最近「私ってどんな人ですか?」って聞くことが多くって、周りからは「明るいよね」って言われることが多くて、で、私は明るい人なんだっていう意識を持ち始めると、明るく努めなきゃみたいな変な気が起きてきてつらくなりました。
 
マキタ だから思いのほか自分自身にも刃突きつけてるんじゃないのかな。
 
清水 うん。明るいアイデンティティーっていうのを究めたいって思ってたら競争から降りれないですよねえ。
 
千葉 そうですねえ。戸渡先生的な追求が偉いとは限らない。実は途中でやめたり、この程度でいいやって思うことのほうが難しいってことってあるんですよね。
 
清水 そうですねえ。
 
千葉 ドゥルーズって哲学者は大きく言うと、同一性じゃなくて差異が大事だって考えた人なんですよ。言い換えれば、アイデンティティーよりも、違い、多様性が大事だと。揺るぎない自分より、さまざまに変態していって自分をリミックスするっていうことだってできるわけです。それが変態するっていうことだし。
 でも、そもそも何でこのアイデンティティーにとらわれるっていうことになるのか、大まかに考えると、やっぱり近代っていう時代の現象で・・・。
 
清水 近代?
 
千葉 近代。ま、18世紀、19世紀ぐらいにかけての現象で、昔は八百屋の子どもは八百屋だったのが・・・。
 
マキタ そうだあ。
 
千葉 それがどんどん崩壊していって、自由になったって言えば聞こえはいいんだけど、何をしたらいいのか分からなくなっちゃってるみたいな。
 
マキタ うんうん。
 
千葉 今僕らの生きている現代っていうのも、それの延長上にあるわけです。アイデンティティー追求みたいなことを強いられてるんです。
 
清水 ああ。確かに。自分らしさってなんだろうって、今いっぱい選択肢があるじゃないですか。
 
千葉 うん。
 
清水 で、ウワアって悩んでたときに、あ、もう、ここが江戸時代で、どっか世継ぎにいくしかないみたいな限られた運命だったら自分も悩まずに決められるのにとか思ったことあります。
 
千葉 ああー。
 
マキタ ああー。
 
千葉 だから、本当の自分、アイデンティティーっていうのは、一つの神話、近代の神話かなと。
 「私と言うか言わないかがもはや重要でない地点に到達することだ」これがドゥルーズが唱えた現代哲学の根本原理なんですよ。何々でなければならないっていう呪縛から逃れて、中途半端でいびつな自分でオーケーってことにするっていうことかなあと思いますね。

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「変態仮面で哲学する」哲子の部屋 2013/08/20(4)



千葉 話をもう一段階深めるために、こういうふうにアイデンティティと変態っていう問題をすごく現代的に描いている、すごい映画が今年公開されました。

マキタ おお。

千葉 それは富美加さんもよくご存知の。

清水 あれですか?

千葉 あれです。『HK 変態仮面』。一見したところ、おばかなコメディなんだけども、実はとても深い。

清水 うん。

千葉 もう教育的だとすら言える。

マキタ 教育的(笑)

清水 (笑)

千葉 教育的だとすら言える映画だろうと。
 一つ謎めいたシーンがありまして、それに注目したいと思います。


 

 

(変態仮面) 貴様らのような悪党を打ち砕くために参上した変態仮面だ!


 
 
 
パンティをかぶると何故か潜在能力が引き出され
 
超人的なパワーを発揮する正義のヒーロー、変態仮面
 
20年前に連載されていたギャグヒーロー漫画が
 
今年春、実写映画化され大きな話題となりました
 
実はそこにアイデンティティをめぐる哲学的な問題が秘められていたのです
 
 
主人公変態仮面は平凡な高校生、色丞狂介
 
転校生の美少女、姫野愛子に一目ぼれします
 
 
狂介は普段の自分と
 
正義のヒーローでありながら見た目が変態である自分との間で
 
もがき苦しみます
 
 
(狂介) 確かに俺は変態仮面だが、俺自身は変態じゃないんだ。
 
 
本当の自分は何なのか
 
アイデンティティの悩みを抱えるのです
 
 
その後、狂介は並み居る敵との戦いを通し
 
見た目が変態である自分を肯定できるようになります
 
 
 
(愛子) あなたは変態でいいのよ! 変態じゃないあなたは変態仮面じゃない!
 
 
 

 (変態仮面) 覚えておけよ、21世紀の現代、変態こそ正義であることを!

 
 
 
そこに最強の敵、戸渡先生が現れます
 
彼は偽変態仮面となり、街中で悪事を働きます
 
 
変態仮面同士の頂上決戦
 
ここから不可解な対決シーンが始まります
 
 
 
(戸渡) お前の変態など、変態ではなーーい!!
 
(変態仮面) やめろ! 俺は変態仮面だ!
 
 
変態度ではるかに勝る戸渡先生に
 
変態というアイデンティティを否定されてしまいます
 
 

 

(変態仮面) この変態には勝てない!

 

(戸渡) お前ごときに変態を名乗る資格はない。
 
(変態仮面)俺はノーマルなのか・・・。
 
 
変態仮面は
 
どちらがより変態かという対決に引き込まれ
 
自信を失い敗北してしまいます
 
 
 
(狂介)俺はノーマルなのか・・・。
 
 
 
 
 


 
マキタ これはもうすごい考え込んじゃいましたね。
 僕はコンプレックスを描いてるものだと思ってみている。自分よりコンプレックスのことに対して深く突き詰めてる人とかっているんですよ。

千葉 うんうん。


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千葉 ここで1人哲学者をご紹介したいと思うんです。このアイデンティティの問題にズバッと答えた哲学者がいるんです。ジル・ドゥルーズ。このおじさんは、アイデンティティの悩みについてこんなことを書いてます。
 
 
私と言うか言わないかが
 
もはや必要でない地点に到達することだ
 
 
 
清水 うん? えー? 意味分かんないです。
 
千葉 どうですか。
 
マキタ いよいよこれ哲学的じゃないか。
 
清水 ぜんっぜん意味分からないです。
 
千葉 これは「本当の自分」とか「1個のアイデンティティ」なんていうものはないんだと。そんなものは根本からないんだっていうことをドゥルーズは言ってるわけです。
 
マキタ なるほどー。
 
清水 ぜんっぜん分からない。え? なるほどですか?
 
千葉 ドゥルーズっていう人は、常に自分は別のものに変化し続けてる、変わり続けてるんだっていうことを強く言った人なんですよ。
 例えば毎日服を着替えるっていうことも変態するっていうことなんです。
 
マキタ なるほど。
 
千葉 外見だけじゃないのっていうツッコミもあり得ると思うんですけど、でも人格を着替えるみたいなことってあるんじゃないかと思うんですね。
 
清水 うーん。
 
千葉 キャラクターを着替える、そういう変態ってあると思うんですよ。
 
清水 うんうん。
 
千葉 こんな有名な曲もあるんで聞いてみてください。
 
 
 
うちの中ではトドみたいでさ
 
ゴロゴロしてて あくびして(中略)
 
 
だけどよ
 
昼間のパパはちょっと違う(中略)
 
 
働くパパは男だぜ
 
(パパの歌/忌野清志郎)
 
 
 
 
 
千葉 家ではトドみたいなパパが昼間は別人みたいに切り替わっちゃう、そういう歌ですねえ。
 
マキタ いやあ、これ娘に言われてるな、俺。
 
清水 (笑)
 
千葉 (笑) 本当ですか。
 こんなふうに職場とうちで変わるっていうことってきっとありますよね?
 
清水 うん、ありますね。
 今、ルームシェアみたいに女の子4人で住んでるんですけど、人見知りなんで本当、「お帰り」とか「ただいま」を大きい声で言えなくて。で、なるべく会わないように生活して、結構うちに閉じこもってずっと静かにして、全然しゃべんない。
 
マキタ その4人のルームメイトとしゃべんないの?
 
清水 はい。しゃべんないで、すぐ部屋入って。
 
千葉 変な共同生活ですねえ。
 
清水 そうですねえ。家ではそういう感じなんですけど、こうやって出てきたら「おはようございまーす!」って自分からどんどん話していくから、知らずに私も変態しているのかなあって今思いました。
 
マキタ でも、千葉さんどうですか。僕彼女から感じてるのは相当変態だと思います。
 
清水 えー! 何でー?!
 
マキタ だって18歳にしてはすごく根本的なこと考えてたり、いろんな顔を持ってる。
 
千葉 いろんな顔を持ってるってことは変態してるってことだから、まあ変態ですよね。
 
清水 そうですね。
 
マキタ 結構な変態ですよ。
 
清水 (笑) いや、でも最初は変態って、何か特質的な悪いイメージがあったんですね、でも今はその概念が覆えされつつあるんですよ、もう一つの意味があるって分かったので。
 
マキタ まさに哲学じゃん、それ。
 
千葉 そう。
 
清水 哲学ー?
 
マキタ だって概念変わってきてるって。
 
千葉 そう。常識を破るわけですよ。
 
清水 あ、そうか。そうだー。
 
千葉 僕の解釈ですけど、変態っていうのはその状況次第で別のものにはまっている状態から、また別のものにはまり直すっていうこと。その都度、仮の自分の姿っていうのにはまってる。
 
清水 うんうん。
 
千葉 そのスイッチングっていうのを毎日、毎日、カチャカチャやってるんじゃないのかなあと思うんですよ。だから唯一の「本当の自分」なんていうものは存在しない。ドゥルーズが言うように私なんていうふうにはもう言わなくていいんだと。