2013年9月8日日曜日

「バトルロワイヤル、ゲーム」子どものため? どう考える過激な表現(3) 週刊ニュース深読み

出演 
佐々木輝美(国際基督教大学教授)
江川達也(漫画家)
江川紹子(ジャーナリスト)
カンニング竹山
RIKACO



徳永アナ さらに進みます。2000年、ある映画が大変話題になったのを覚えていますか。これです。

カンニング竹山 ああー。

徳永アナ 「これから皆さんに殺し合いをしてもらおうと思います」というセリフを言っているのは北野武さん、先生役です。深作欣二監督の『バトルロワイヤル』(東映)。これ、架空の国の話なんですが、ある島に中学校の1クラスが集められて1人になるまで殺し合いをさせる。殺し合いをするシーンもあるんですが、最後大人たちに反抗して脱出しようという少年たちも描かれている作品です。
  ただし、やはり作品が作品ですから、残酷だという指摘が出ます。当時は国会で議論になりました。国会議員が試写会を開いて集まった。「けしからん」という人もいたし、「いや、いい作品だから、むしろ子どもに見せるべきだ」と議員同士もバチバチやっちゃった。

カンニング竹山 へえー。

徳永アナ 大論争になって、結局映画会の自主規制で15歳未満の子供には見せないようにしましょうという取り決めになりました。中学生が出てくるんですけど、中学生はほぼ見られないという話になっちゃった。

カンニング竹山 ああー、そっか。

徳永アナ さらに5年たちます。ゲーム業界も話題になりました。ゲーム、昔から主人公が武器持って進むのは当たり前にありますが、だんだん画像が鮮明に、リアルになっていって暴力、バット、拳銃がはっきり映るようになっていって、殺した人の血しぶきや血だまりがかなり現実に近い形で、2000年代に出始めます。
 2005年に神奈川県がこれを規制します。理由は残酷だということです。ただ、公のものを行政が条例をつくって、売ったり買ったりするのを禁止するということに、当時賛否両論あり、大変話題になったんですね。「別にこれをしたからって私は人殺ししていませんし、大丈夫ですよ」っていう意見もあれば「これはアウトだろう」っていう意見もあり、真っ二つになった。
 一部のゲーム(グランド・セフト・オートシリーズなど)ですが、今、11の都府県でこのゲームは禁止されています。
 神奈川県のお隣の東京都も大変話題になったのが3年前。東京都は青少年育成条例というものをつくっていて、どういうものを18歳未満に規制するかというのを書いています。


性的感情を刺激し、残虐性を助長し、又は自殺もしくは犯罪を誘発するもの
(東京都 青少年育成条例)
 
小野アナ 難しい。
 
カンニング竹山 うんー?
 
徳永アナ いかがでしょうか。
 
小野アナ この基準にはまるものは駄目よということなんですね。
 
徳永アナ 今から3年前のこと、この「性的感情を刺激し」に関連するんですが、児童ポルノの規制を強めようと東京都は条例案の改正を考えます。実写だけではなく、アニメなどで18歳未満の女の子が描かれているものをどうするかという話題になりました。
 規制の基準があいまいじゃないかという人からは、ある作品も危ないのではという論議を呼びます。


<<一番前へ  <前へ                  次へ>
 
おすすめ
「しずかちゃん、さるかに合戦」子どものため? どう考える過激な表現(4) 週刊ニュース深読み
 
カンニング竹山「僕なんか切れたり」 子どものため? どう考える過激な表現(5) 週刊ニュース深読み
 
「三つの効果」子どものため? どう考える過激な表現(6) 週刊ニュース深読み
 
江川達也「規制は教育放棄」子どものため? どう考える過激な表現(7)週刊ニュース深読み
 
「4分の1責任」 子どものため?どう考える過激な表現(8)週刊ニュース深読み



0 件のコメント:

コメントを投稿