佐々木輝美(国際基督教大学教授)
江川達也(漫画家)
江川紹子(ジャーナリスト)
カンニング竹山
RIKACO
小野アナ すいません。また12歳の文恵ちゃん発言していいですか。
(一同笑い)
RIKACO はい。
小野アナ 12歳の文恵ちゃんは「じゃあ、そういうものを見たら悪い子になるって証拠はあるんですか」って言ってます。
佐々木 ああ、なるほど。
RIKACO それはない。
佐々木 いやいや、あります。
小野アナ あ、あるんですか。佐々木先生、その研究してらっしゃるんですよね。
佐々木 基本的に人間は、見たものは真似しますよ。
RIKACO うーん。
佐々木 はい。ただ、その行動が、自分が真似したいような行動なのか、そうでないのかで違ってくると思うんですけれどもね。
小野アナ それはメディアと行動の研究が実際に行われて、その中で出てきたことなんですか。
佐々木 はい。そうです。そういう実験はこの時代ではもうできないんですけども、1960年代、1970年代ぐらいは、保育園の子供に暴力番組を見せて・・・。
江川達也 ひどい実験ですね。
(一同笑い)
佐々木 で、その後、その子どもたちの行動を観察するんですよ。
小野アナ はい。
佐々木 そうすると、ああ、真似た、真似たっていうふうに。そういうもの(研究結果)が、たーくさん溜まったんですよね。
江川紹子 でも、どういうあれ(条件)かによって、真似するか真似しないかも違うんでしょう?
江川達也 そう。
佐々木 はい。で、このパネルを用意してもらったんです。
同じ暴力行動なんですが、こちらはけんかに勝った人は勝者なんだという文脈をつくったんです。そうしたら、この行動を見た子どもたちはよく真似をしたんです。
ところが今度は、同じ暴力行動なんですが、殴った後に殴った人が叱られた。こちらはそれほど模倣行動は起こらなかったんです。
だから、どういう文脈で暴力を描くかっていうのが実は今のテーマなんですよ、この時代の。
江川達也 でも、単純には言えないですよね、これも。
佐々木 いやいや。
江川紹子 今回の『はだしのゲン』の話も、すごーく長い話のほんと何コマかを取り上げて、やれ性的だ、やれ暴力的だっていう話になりますよね。
カンニング竹山 うーん。
佐々木 うんうん。そうですね。
江川紹子 だから、まさに木を見て森を見ない、葉っぱを見て森を見ないみたいな・・・。
江川達也 ただ、問題なのは、なぜ『はだしのゲン』だけが学校の図書館にある漫画なのかっていうこと・・・。
佐々木 (笑)
江川達也 なぜわざわざね・・・(笑)
小野アナ それは江川さん、待ってください、待ってください。なぜ『東京大学物語』はないのかと。
江川達也 そうそう、なぜ俺の漫画は・・・。
(一同笑い)
江川達也 『はだしのゲン』ていうのは、そもそも『少年ジャンプ』で人気のあったね、結構、意外に暴力を好きで読んでる人もいたわけですよ。上昇志向の強い主人公なわけですよ。
カンニング竹山 ああー。
RIKACO うーん。
江川達也 で、一緒に『ハレンチ学園』とか連載してたわけじゃないですか。
カンニング竹山 はいはいはい。
小野アナ (笑)
江川達也 でも、なぜ『ハレンチ学園』は置かないで『はだしのゲン』は置くのかっていうのがそもそも・・・。
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