2013年8月20日火曜日

経済成長と消費税の増税の両立は可能か 日銀黒田総裁インタビュー ニュースウォッチ9 文字起こし




2013/08/20放送

井上あさひアナウンサー 就任から5カ月がたちました。デフレからの脱却、そして景気回復に向けてご自身としてはどのように臨んできたのでしょうか。

黒田総裁 そうですね。金融政策自体ですね、国民経済、あるいは国民生活に非常に影響がありますから、逆に言うと国民に十分理解していただくということが重要だと思いますね。それとともに今回の量的質的緩和っていうのは非常に大規模なもので、従来からのデフレからの脱却っていうことで、いわば15年続きのデフレマインドを変えてもらわなきゃいけないと。やはり分かりやすく、そしてポイントを絞って、そして日本銀行としてどういうことを目標にしているか、そのために必要なことは何でもやると。

井上 日銀総裁としてのプレッシャーっていうのはご自身としてはどのように感じてらっしゃる?

黒田総裁 うーん、プレッシャーっていうのは、まあ別にありませんけれども、ただ容易であるというふうには思っていません。しかし可能であるし、実現できると思っていますので、あのー、特別なプレッシャーっていうのはありませんが、ただ容易でない、容易なことではないと、まあ英語で言うチャレンジングなことであるということは確かですね。

井上 昨日街の皆さんにお聞きしたら、自分自身の生活の中で景気の回復を実感することはまだないという方が多かったんですけれど、景気の回復というのは本物だと考えていいんでしょうか。

黒田総裁 そこはですね、あの、企業とか家計とか、あるいは都市部と地方と、いろんなところで違った要素がありますので、全てを一挙に、一律に改善するってことはなかなか難しいと思うんです。今回の金融政策が始まってからまだ4カ月半ですから。しかし、着実に改善が進んできていますので、これは都市部だけではなくて地方にも、それから企業でいえば大企業だけでなくて中小企業にも全てに及んでいくということになると思います。いわば生産が増え、所得が増え、支出が増えるという好循環が始まりつつある。まだ完全なレベルまではいってませんけれども、すでに始まりつつある。

井上 景気の回復と消費の増税が両立するとお考えなのはなぜなんでしょうか。

黒田総裁 今年度は駆け込み(需要)があり、来年度は駆け込みがかげりと上下はあるんですけど、基本的に消費税によって景気が失速して2パーセントの物価安定目標を達成できなくなるというふうなことにはならないというふうに思ってます。経済全体を見れば経済成長と消費税の増税、あるいは財政健全化とは両立するし、まあ両立させなきゃならないと思いますけどね。

井上 昨日街の皆さんに聞いたら、景気の回復の実感がない中で増税が行われるっていうのは厳しいものがあるという声があったんですが、それに対しては?

黒田総裁 財政自体として財政構造改革を通じて財政健全化しなければ社会保障も十分できなくなる、あるいは経済もおかしくなってしまうということはあるわけです。遅らせれば何かいいかというと、、遅らせれば遅らせるだけ将来のことが大変になってしまうわけですね。ですから、そこは十分政府において考えて、国民ともよく対話して考えていただくことだと思います。








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