2013年8月26日月曜日
相方、長崎尚志、ダウンタウン 田村淳×浦沢直樹×倉本美津留 ボクらの時代(3)
田村 2人はもうそのころから夢は定まってたんですか。決まってました? もう漫画家やるって。
浦沢 いや、全然、全然。僕はマイナーな漫画が好きだから僕が描くと売れない漫画家になるのは必然だったんですよ。
倉本 (笑) どんな自己認識や、それ。すごい冷静やな。
浦沢 ヨーロッパ映画とか好きだから。
倉本 ああ、はいはい。
浦沢 フランス映画の『穴』とか見て。
田村 ああー! すげえ。
浦沢 それ小学校3年とか4年だから。
田村 『穴』を小学校3年で?
浦沢 そう。そんな感じをしびれてる子どもが作品を作ると絶対売れない作品作っちゃうから、これ絶対不幸になると思って。
田村 へえー!
浦沢 まあ、好きで、趣味で描いてればいいやと思ったんですけどね。
倉本 すごい客観性ありますよね。
田村 うん。
浦沢 だから、僕の漫画は普通にやってたら売れないっていうのをどのくらいずらしたら多くの人が見てくれるのか、でもたくさんはずらしたくないんですよ。もともと売れない漫画が好きっていう、この感じをどうやったらみんなに伝えられるかっていう、そういう感じなので。それを大きく動かしちゃうと自分の好きじゃない漫画になっちゃうので。どうやったら届けられるのかっていうのは苦心しましたけどね。
田村 へーえ。そのジャッジは自分自身なんですか、それとも編集の人とかも含めて?
倉本 これがね、やっぱりすごいいい相方を見つけるわけですよ、人生の中で。相方大事やんか?
田村 相方大事ですよー。俺も常に横で笑ってくれている相方がいるんで・・・。
(一同笑い)
倉本 安心できる?
田村 すげえ安心できますもん。何やっててもあいつだけは笑ってくれてるんで。
(一同笑い)
浦沢 それはでかいよね。
倉本 でかいですよね。
田村 いい編集マンと出会ったってことですか?
浦沢 そう、デビュー作からずっと、その長崎尚志さんていう人と、彼まだ20代のころからやりだしたんですけど、大メジャーの小学館の中でマイナーな話をできる相手というか。それこそ相方が笑ってくれるって・・・。
田村 うん。
浦沢 僕が描いたもの長崎さんが「面白いじゃん」て言ってる、そのぐらいの世界観で「ま、誰も分からないかもしれないけど、面白いからいっか」ってクスクスやりながら、それが徐々に広がったっていう感じですよね。
田村 ああ、なるほど!
倉本 絶対大事なのよ。
田村 大事ですねえ。
倉本 1人だと絶対そうならへんから。
田村 ていうことは倉本さんも相方みたいな存在はいるんですか。
倉本 これがねえ。
田村 ずっと一匹狼?
倉本 割と一匹狼で。
田村 でもダウンタウンさんとの出会いっていうのはでかいですよね?
倉本 まあ、そうですね。
田村 倉本さんの発想をより具現化してくれる2人。
倉本 はいはい。だから僕の発想もおかしいけども、あの人たちの発想もおかしいじゃないですか。で、あの人たちの発想がおかしいことを、多分、誰よりも早く、このおかしさは絶対ええぞっていうのを早く思えたタイプだったのよね。
田村 うん、うん。
倉本 だから共通言語を持てたって感じ。
浦沢 ちょっとお兄ちゃんなわけじゃない?
倉本 僕のほうがね、四つ年上なんですけど。NSCの一期生に面白いのがいるんだっていうのをラジオ連れて来られたときに、僕はラジオで作家やってたんです。それを見てる間に、あ、すごく完成は近いんだけども、あ、この人たちはすごいなと思ったのが、コントをつくるときってどうしても大阪弁じゃなくて東京弁にしてしまうのよね。
浦沢 当時ね。
倉本 初めてと言ってもいいと思うんだよね、普通の大阪弁で、普通の会話みたいなんでぶっ飛んだシチュエーションでやってるのを聞いたときに、うわ、もうこの無名な2人が絶対に日本のお笑いを引っ張ってくなって、もう直感で思ったね。
田村 へーえ!
倉本 うん。だからもう、俺が持ってるもんは、俺のお笑いは捧げたいって瞬間思ったときがありましたね。
田村 そこが一番最初の出会いなんですか。
倉本 一番最初の出会い。そんでしばらくたって嘉門達夫さんのライブをプロデュースしてた人が若いやつ呼びたいっていうことになって、そこで初めて会わされんのよね、ちゃんと仕事として。
浦沢 嘉門さんなんだ?
倉本 そうです、そうです。でも、その後嘉門さんと一回も仕事してないんだけど。
(一同笑い)
田村 なかなかの年月が過ぎてますよね。
浦沢 僕ですら2、3回仕事してますよ。
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