2013年11月6日水曜日

激論!コロシアム『怒りの戦後教育SP』(12)「道徳教育は家庭でするべきか?」




北野誠 ちょっといいですか、じゃあ文科省が思ってる道徳っていうのはどうなんですか?

寺脇研 いや、思ってるっていうか。私も必要なし(にした)っていうのは別に徳育が必要ないなんてとんでもない話で。それからさっきから出てきた規範意識とか、人間性とか、意志力っていうものを持ってもらわなきゃいけないっていうのはそうなんです。それで今われわれが受けていた道徳っていうのは、教科じゃなくて道徳の時間と呼んでて・・・。

北野誠 そうです、時間です。

寺脇研 だから学校によって違うことを教えてるわけですね。教科書もないっていうか副読本が地域でつくられる、あるいはテレビの・・・。

石原良純 『心のノート』ってありましたね。

寺脇研 ええ。NHKの教育テレビの道徳番組みたいなもの見てみんなで考える・・・。

堀潤 私たちの世代は多くって。

寺脇研 世代ですよね。副読本でやってた時代からテレビになって、少しは自分の体験に近づいてくるわけですね。その場の臨場感みたいなものが。それで最近では道徳、あるいは総合学習の時間などで老人ホームに行ってお年寄りと話したり・・・。

堀潤 なるほど。より体験型に・・・。

寺脇研 働いてる人たちのところに行って話しを聞くとかね・・・。

北野誠 ああ、やってますね。

寺脇研 そういう体験を通じて、そういった力を身に付けてもらうっていう方向になってきてるんだけれども、それが教科になってしまうと、またこの教科書を教えなきゃいけないっていうふうになってしまって。だからさっき戸塚さんがおっしゃったような意味で今言ってるんであって、ソフトの問題であって道徳教育が必要ないなんて誰も多分思ってないと思うんですけど。

内藤朝雄 いや、私思ってますけどね。

寺脇研 あ、そう() それはまあ、そういう人もいないわけじゃないでしょうけども・・・。

内藤朝雄 ええ。国家がやるべきじゃない。

寺脇研 やり方をどういうふうにすべきかっていうこと。だから国家が国定教科書でやるのはまずいっていうのはよく分かるけども・・・。

井上和彦 ちょちょちょ、待ってください。何で国家がやっちゃまずいんですか? どういうことですか? 国家がやるべきでしょう。

内藤朝雄 あのねえ・・・。

寺脇研 国家が道徳の時間をつくっているわけですよ、今は。

井上和彦 だからやるべきでしょう?

内藤朝雄 国家がやっちゃいけないっていうのは、北朝鮮とか中国みたいに全体主義で誰か強い者が言うことを聞かせるという・・・。

井上和彦 あのねえ、例がばか過ぎる。

内藤朝雄 いや、そのとおりですよ。今安倍政権を見てそうなるかもしれないんですけど、一番大事なものだからこそ国家が扱ってはいけない。人の魂の深いところは一人一人が隣人愛とそれぞれの人生・・・。

井上和彦 誰がそんなことやるんですか、・・・できるわけないでしょう!

内藤朝雄 できるわけないのはねえ・・・。

井上和彦 できるわけない.今こんなふうになってるから国がやんなきゃいけないんでしょう!

内藤朝雄 違うんです。教員が昔に比べて悪くなってないって・・・。

井上和彦 なーにを考えてるんだ、この人は!

内藤朝雄 国家が誰かの運命をどうとでもできる。つまりおまえの道徳悪いって言ったら、悪い人だったらいくらでもいじめることができるわけですよ。そして・・・。

石原良純 例えば道徳が悪いってどういうことですか。書いてあるわけじゃないですか。「仲良くしよう」とか「嘘をつくのはよそう」とか「ルールを守ろう」って書いてあって・・・。

井上和彦 それは普通でしょう。

内藤朝雄 強制したり点数を付けたり、教科にしてはいけない。

井上和彦 強制しなきゃどうすんだ、そんなものは!

堀潤 山谷さん、今安倍政権のほうで検討している内容、教科化した場合にどういうことを子どもたちに伝えようとしているのか?

山谷えり子 人間っていうのは、ただ生きるだけじゃなくてより良く生きるという素晴らしいものを持っているわけですから、より良く生きるためのいろいろな材料、道徳の教育で子どもたちに伝えたいということがあるわけですよね。第一次安倍内閣のときも教科化したいと思ったんですが、中教審で否定されました。そのとき私、総理補佐官だった。日教組の方たちが否定なさるので幹部の方たちとお会いしたんですね。「正直、親切、勤勉、チャレンジ精神、親孝行、日本っていうのは本当に素晴らしい心を持った民族だけれども、なぜ教えちゃいけないんでしょうか」って聞きましたらば「ザ・正直、ザ・親切、ザ・勤勉というのを教えるのは思想信条を強制する、自由に反する、憲法違反だ」みたいなことおっしゃられるんですね。しかし今のVTR、修身を軍国主義に結びつけるような編集でしたけれども、全体を読むと「清潔にしましょう」だとか・・・。

石原良純 でも、それ家庭でやることじゃないですか?

堀潤 昔、寺子屋に行くと儒教の教育があって思惟の霊?、ま、ベースになるような物があったわけじゃないですか。

山谷えり子 普遍的な価値観ですよね。

金美齢 最高齢者にちょっと言わせてちょうだい。今石原さんがおっしゃった、しつけは家庭で、知的教育は学校で、これはもちろん基本なんです。問題は家庭で教育の力がどんどん落ちているということ。

堀潤 働かなきゃいけないですからね。

金美齢 ただでさえ家庭のしつけっていうのは成り立っていないし、教育力っていうのはどんどんなくなっている。そこで学校におんぶに抱っこさせようってなって、これは本当に問題なんですよ.

細川昌彦 親の世代が戦後教育の結果、劣化して来たんですよね。
金美齢 そう。しつけができていないっていうこと。ただ、今道徳の教育、皆さん難しく考えてるけど難しく考える必要ないの。人間として最大公約数的に認識しなきゃならないものは何かということを、親が伝えることができないなら学校が伝えるよりしょうがないだろうと。



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