2013年11月2日土曜日

(2)「現実と地続きの作品」探検バクモン 高畑勲×爆笑問題




田中裕二 作品はこうやって対照的、(高畑勲監督と宮崎駿監督は)生き方も違う。

太田光 逆のベクトルでこう来てるような気がするんですよね。
 俺、もう本当に生意気なんですけど・・・。

田中裕二 うん、生意気だよ。

太田光 こう言っちゃ何ですけど、高畑さんのは泥臭いんですよ。絵がね、絵とか、やってることが。
 で、ある意味で宮崎さんってスマートなんですね。もともとの田舎っぺと都会の人みたいな。

田中裕二 やかましい!

高畑勲 (笑) 
 逆かどうか分からないけど、僕はファンタジーというやつを別に本当は嫌いじゃないんだけど、ただ今の日本の中で、別世界を作ってそれにみんな閉じ込める、そういうのが多いと思うんですよね。
 で、現実とほとんど同じようだけど実は別世界というところ、宮さんの作品もそういうところがあった、ずっとね。

田中裕二 そうですね。

太田光 本当にそうですね。

高畑勲 それに対して僕はやっぱりそうじゃなくて、作品の中と現実というのは、なんかこちらで風が吹きゃあその中にサアーっと流れこんでくるというか、そういう地続きの感じで作ったほうがいいだろうと。

太田光 そういう発想になるのは宮崎さんと高畑さんお互いがいて、俺はこっちへ行くというのはどこかにあるんですかね。おまえがそっち行くなら俺はこっち行くみたいな。

高畑勲 あ、それは僕はありましたね。
 やっぱり宮さんは、その、身近にああいう天才見たことはないわけです、僕としてはね。で、すごい人だと思うから、やっぱり。
 そうすると似たようなことを僕も考えてたけど、しかし一緒のことをやってもね、で、宮さんより下手なやつをやってもしょうがないじゃない。だからそれは恐らく無意識のうちに違う道をたどったでしょうね。
 まあ、それだけじゃないですけど(笑) やっぱり今見るとかなりいろいろ違って。

 

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