2014年1月15日水曜日

ボクらの時代 壇蜜×小島慶子×ミッツ・マングローブ(2)「女子ライフ」

小島慶子 私,自分のために料理なんて絶対作らないんですけど、一人暮らしのときも絶対作らなかった。理由はめんどくさいっていうね。

壇蜜 めんどくさい。一人分は高くつく。

小島慶子 お気持ちはすごく分かるんだけどさ、食べ物語るときってさ「食べ物大事にしてまーす」とか「料理大事にしてまーす」とか「料理は愛情」みたいなことを言わないとひとでなしみたいな風潮って何だろう、これ。

壇蜜 そうですね、確かに。

ミッツ 「心が豊かじゃない」とか言われるんだよね。

小島慶子 そう。今みたいな話をすると「ああ、荒むのね」とか.

壇蜜 「一人暮らしをしてても野菜はちゃんと取らなきゃと思って」みたいな。

ミッツ でも,無理やり豊かさを取り繕ってるほうが荒むと思うんだよね。

小島慶子 それ、誰に証明しようと思ってるんだろうと思うときがあるんだよね。

ミッツ なんか自己完結なんだと思う,世の中って。私,たぶん自己完結能力がないのよ.で、自己完結したときにすっごい恐怖、怖くなっちゃうから.

小島慶子 へえ。未完のままがいいんだ。

ミッツ なし崩しにいきたいの。

壇蜜 なんか自己完結しちゃいそうですもんね、パックのまんまお皿にあけると。

ミッツ そう。で、その皿を今日の気分で選んだりしだしたら、あたし、もう本当に舌かむ。

小島慶子 (笑)

壇蜜 やばーい。ランチョンマットなんかひかれた日には、もうお腹痛くなってきちゃいます。

小島慶子 本当?

ミッツ うん。

小島慶子 で、ほら「五穀米とか朝から一生懸命炊いて、夜までの間に出汁を出しといて、一人で夜中に帰ってきて,それでおいしいおみそ汁を作って自分を労ってます」みたいな人もいたりするじゃない.すごいなって思うんだけど。

ミッツ いや、もうすごいなって思う,本当に。

壇蜜 そんなことできない。

ミッツ 朝起きてカーテンを開ける人がすごいと思うもん。

壇蜜 思います.シャッター開けれる勇気のある人はすごいと思います.

小島慶子 暗いまんま支度して出てっちゃうの?(笑)

ミッツ 朝を確認っていう、あの動物的な行為に向き合えるって・・・。

壇蜜 朝一に日に当たってる人って・・・。

ミッツ あと海辺に住んでる人とかね。わざわざ海辺に・・・。

小島慶子 海が好きなんでしょうよ,それは(笑)

ミッツ だからすごいなって思うの、そこと対峙できるっていう。

壇蜜 海は強敵ですね。

ミッツ 強敵。

小島慶子 何で海、強敵?

壇蜜 海ですよ! 生命の宝庫ですよ.

小島慶子 そうよ.マイナスイオンが来るんだってよ、あそこから。

壇蜜 責任取れない。

小島慶子 (笑)

ミッツ あたし、何年か前に沖縄の離島に連れてかれたのよ,仕事でショーが終わった次の日に1日オフだったから「みんなで行こう」ってゲイの友達で行って。

小島慶子 楽しいじゃない、離島。

ミッツ もう着いた瞬間、なぜか耳をふさいでしまって。

壇蜜 ザザーッ、ザザーッ。

ミッツ 自然のすっごい圧力?

小島慶子 風の音とね、波の音とね、ピヨピヨピヨとかね。

ミッツ 木とかね、ザザザザーとかするの。

小島慶子 砂もサラサラ言うし。

ミッツ あとミーンとか聞こえてくるじゃない?

小島慶子 そりゃそうよ。

ミッツ もうずっとこうやって耳ふさいで、どうしようと思って、大声でずっと聖子ちゃんの『青い珊瑚礁』歌ってた。

小島慶子 選曲は合ってる(笑)

壇蜜 選曲は一応合ってます.間違ってないです(笑)

ミッツ だからといって、別に東京でハーブティー飲んでるわけでもないのよ.

壇蜜 東京のベランダでガーデニングとかもやらないですもんね。

ミッツ やらない。あんなベランダでトマトなんか作ってどうすんのと思う(笑)

小島慶子 いいじゃない!あれはきっとおいしいんでしょう.自分で丹精込めて赤くなったらうれしいんでしょうよ。

ミッツ でも,現実逃避をする体力とかがあるのは、すごいんだね、やっぱりみんな。アロマたく人とか.めーんどくさいよ,アロマたくの。

小島慶子 本当にたいてるのかなあ。

ミッツ でも売れてんだからたいてんじゃない、みんな.

小島慶子 まあ、そうか.

ミッツ アロマたいたことある?

壇蜜 アロマたくっていうのは? ああ!あれだ、バーニャカウダみたいな。

ミッツ そうそうそう。アルコールランプみたいなもんよ.

壇蜜 いいにおいのするバーニャカウダ。やったことないです.

小島慶子 でも日常的にやってる人だっているんでしょうよ.

壇蜜 こんなたらして、フアーっていいにおいさせて・・・。

ミッツ リラックスして「明日も頑張れる」みたいな。

壇蜜 で、ここに着圧式のストッキングみたいな物を履いてるんですよね。

ミッツ 着圧式のストッキングは買った、この間(笑)

小島慶子 今日足に湿布してないね、きれい。

ミッツ 今年はずっとむくみとの戦いだったの。

小島慶子 でも,ほら、雑誌の人とかも「壇蜜さん、最近ずっとお忙しいですけど、リラックスするときはどんな?」とかって。

壇蜜 布団乾燥機で寝る。

小島慶子 (笑)憧れないよね、それだと。

ミッツ 憧れる答えを出さなきゃいけないんだよね。

小島慶子 「バラのお風呂に入ってます」とか「文鳥手に乗っけてます」とか.

壇蜜 文鳥(笑) どういう状況ですか.

小島慶子 分かんないけど小動物に癒やされるとか。

ミッツ そんな、みんながさあ、叶姉妹みたいになっても大変じゃん?

小島慶子 普通の、別にタレントさんじゃなくても、女子会みたいなところでも、打ち合わせしてるときに隣が女子会だったりして聞いたりすると、やっぱりみんな、いかに女子ライフを満喫してるか・・・。

ミッツ アラカルト人生でしょ、いろんな選択肢からちょこちょこ・・・。

壇蜜 ちょっとずつおいしいものを食べる・・・。

小島慶子 で、「あたしの組み合わせはこう」「あたしはこう」ってせーので(出す)。

壇蜜 じゃんけんですよね。 

小島慶子 幸せだって誰かに証明しておかないといけないみたいな。「あたしの人生すてきです」って聞かれてもないのに首から下げておかなきゃいけないみたいな。

壇蜜 アラカルトはこちらですっていうことですよね。

小島慶子 そう。何なんだろう。

ミッツ それはそれで不安なんだろうね、みんな.

壇蜜 で、他人が24時間どう過ごしてるかっていうのは世代が上に行けば行くほど気になりますよね、学校じゃなくなっちゃうから.

小島慶子 制服脱いでだんだんばらばらになってくるとね。「あの女のほうが自分より頭一個抜けてんじゃないか」とか、気になる所が・・・。

ミッツ 「自分は何か一個足りないんじゃないか」とか「向こうのほうが一個多く持ってるんじゃないか」とか。だから全部手元に取りあえずピースを並べておかないと不安になっちゃうっていう風潮は加速してる気がする.

壇蜜 テーブルにお皿いっぱい乗ってないと不安っていう。


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